前回７９３話のつづきです。





ザーザー
騒がしく雨の降る中
静かな部屋で
ショリショリと
鉛筆を削っていると

小学生のときに通っていた
M先生の学習塾を思い出した。

夏場は蚊取り線香の香りが漂う
緑いっぱいのお庭がある
M先生の塾。


M先生は厳しい方で

ザーザー降りの雨の日も
もちろん塾が休みになることはなかった。

あるひどい降りの日、
放課後のホームルームが長引いてしまい
塾の予習もそこそこに
わたしはM先生の塾へ向かった。
（宿題が沢山出る塾でした）

予習復習はもちろん
鉛筆やノートの整理整頓にも
何度も言いますが、厳しかったM先生。

予想はしていたけど
やはり鉛筆の芯が尖っていないことで
M先生に注意された。


先生に注意され
顔を真っ赤にして
鉛筆を削る小学生のときの
自分を思い出した。

チクチク感じる友達の視線。
雨の音。
鉛筆を削る音。
削りカスの香り。